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テーマ03「砥石の構造とダイヤモンド砥石」

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砥石は図1のように「砥粒」、「結合剤」、「気孔」の三つの要素で構成されている。砥石が他の切削工具と異なるのは、加工中に砥粒が微小破砕し常に新しい切れ刃を再生することである。また、砥粒が脱落しても、次の砥粒が下から出てくるため、常に同じ状態で加工できる。

砥粒

一般に砥粒と言われるのは、アルミナ質砥粒(Al2O3砥粒、WA、A)、炭化珪素質砥粒(SiC砥粒、GC,C)です。アルミナ質砥粒には、単結晶、多結晶やジルコニヤが入ったもの等、多くのタイプがあります。炭化珪素質砥粒は硬くて切れ刃は鋭く、アルミナ質砥粒は靭性が強いという特徴を持っています。このため、加工物により適当な選定をおこなうことが必要ですが、一般に硬脆材料にはC系、ねばさの強い金属やハードな加工にはA系を用います。更に強靭な砥粒としてダイヤモンド、立法晶窒化ほう素があります。これらは超砥粒と呼ばれています。硬くて耐磨耗性も高いため、超硬材やセラミックス等難削材の研削に適しています。

結合剤

大別すると3種類になる。 ・ビトリファイド砥石:無機質結合剤 天然産の長石、木節粘度、石灰石、滑石等を1300℃近辺で焼成し、十分に溶融するよう調合した結合剤を使用している。砥粒と結合剤との接合が強固で硬く、弾性率もかなり低い砥石である。 ・レジノイド砥石:有機質結合剤 主にフェノール樹脂が結合剤に用いられているが、耐熱性の他に機械的強度が大きいという特徴があり、多方面に利用される。 加工物との接触点で若干の弾性があるため、他の2種類の結合剤と比べて仕上げ面粗さが細かくなる。 ※P.V.A.砥石 ポリビニールアルコール樹脂を結合剤としたスポンジ状の多孔質砥石である。水溶性樹脂のため、アセタール化によって耐水性をあげているが水には弱い。この系統にはP.V.A.の結合剤に他の樹脂を添加し、耐水性、弾性を改良したものがある。 ・メタルボンド砥石:金属質結合剤 ブロンズ(Cu-Sn系)、コバルト(Co系)、鉄(Fe系)の金属マトリックスの中に超砥粒を混合し焼結したもので強度もあり、砥粒の保持力も強いため、研削比の高い砥石である。粗研削、切削加工が主である。 また、所定の形状を有する金属母体に超砥粒をメッキ法により固定した電着砥石がある、細かい砥粒の固定は難しく通常は砥粒一層に限られている。

ダイヤモンド砥石

ダイヤモンド砥石は、ビトリファイド砥石のように研削時の切りくずを抱く気孔はなく、砥汁(研削切りくず)は、石面と砥石の接触面から強制的に排出され、その際ボンドは研削くずに より磨耗し、砥粒の先端も研削の進行と共に磨耗が進む。 ダイヤモンド砥粒の熱的特性として、熱伝導率が高い、熱膨張係数が低い、強度が高い(機械的衝撃に弱い)など、石材の研磨時におこる急激な熱変動による熱衝撃で、砥粒が破壊する現象に対してこれらの特性は有利である。 ※人造ダイヤモンドは、一例として溶融金属に溶解した炭素を1000~3000℃の温度範囲の条件と、30,000~100,000Kg/Cm2の圧力範囲の条件を人工的に与えて結晶を得る。

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