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テーマ01「研磨とは」

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研磨について

「研磨」という言葉には切りくずを排除し、所要の形状、寸法を与えることを主とする研削作用と、加工面の仕上げ、つや出しを主とする琢磨作用との二つの概念が含まれており、これらに使用するものをそれぞれ研削材、琢磨材と称しているが、両者を明らかに区別することは難しい。これらの統一概念または俗称をもって研磨材であると定義されているが、事実、研削と琢磨との両者をかねた中間的作用をするものも多い。(近年では琢磨のみを指して「研磨」と呼称する場合もある。)

研磨材について

研磨材とは物質を意味し、それを粉砕したものを砥粒と呼んでいる。研磨材は砥粒加工に使われるが、研削作用を主とするものには、人造品(溶融アルミナ、炭化珪素、ダイヤモンド、窒化ほう素など)と天然品(ダイヤモンド、ざくろ石、エメリー、けい石など)がある。同様に琢磨作用を主とするものにも、人造品(アルミナ、酸化鉄、酸化クロム、酸化セリウム、シリカなど)と天然品(粘土類、トリポリ、珪藻土など)がある。概して天然研磨材は人造研磨材より硬度が低い。したがって研磨材は相手を削るものであるから、研削作用については硬度の高い人造研磨材は天然品より高性能であることが類推できる。また一般に琢磨作用を主とするものは、研削作用を主とする研磨材より硬度が低いものが使われるといってよい。

研削加工について

石材の荒い面を細かく割りながら削り取っていく(破砕現象)、粗仕上げから細仕上げまでの工程を指す。石の組織は色々な鉱物の粒から成っているため、それぞれの硬さが異なることも含めて、粗-中-細仕上げをするとき、最適な研削方法を取らないと軟らかい雲母質が深く破砕されたり、掘り起こしが見られ仕上がりに悪い影響を及ぼす。

研削中の砥石(砥粒)磨耗の状態
目づまり(loading)→図(A)
ボンドが硬すぎて砥粒が磨耗してもボンドが減らず目詰まりの状態で切れ味が悪くなる。

目つぶれ(dulling)→図(B)
砥粒の自生機能がなく研削加工の進行と共に、砥粒は磨耗して平坦になり、切れ味が悪くなり、切れ刃がなくなってしまう状態。

目こぼれ(shedding)→図(C)
砥粒が研削力によって磨耗⇒破砕⇒脱落のパターンを起こす前に結合剤から抜けて脱落する状態。
自生作用(self sharpening)
砥石による加工中に、砥粒が破砕あるいは脱落することにより新しい切れ刃を発生して、切れ味の良い状態を維持すること。

研磨(琢磨)加工について

研磨(琢磨)加工のメカニズムとしては従来から、(A)微小切削説、(B)表面(塑性)流動説、(C)化学作用説の3つが唱えられている。(A)は機械的、(B)は熱的、(C)は化学的な作用あるいは効果と解釈されるが、ダイヤモンドなどの超砥粒および工具を用いる研磨では(A)が主たる作用機構と考えられる。
(A)微小切削説
研磨材(砥粒)の破砕作用によって、石材の凸部(出っ張った所)を削り取りながら平坦化する。
(B)表面(塑性)流動説
加工物と研磨工具(砥粒)との摩擦により、石材の表面に瞬間的に高圧、高温の状態が生じ、その結果、表面の凸部が塑性流動を起こして切削(研磨)痕や微細クラックを覆い隠すことで表面がならされる。
(C)化学作用説
研磨材(砥粒)と研磨液(水)と加工物(石材)との間に化学反応が起こって生じた水和層を研磨材(砥粒)が除去して表面が滑らかになる。

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