ハンドポリシャーの操作方法と研磨について
機械及び工具
機械
手持ち式研磨機械(ハンドポリシャー)
手持ち式の研磨機は石材研磨専用の設計となっており、DIYなどで見られるグラインダーやサンダーの類とは性能、機能的に異なる。大きな特徴は「湿式研磨」に対応できるよう、研磨水を注水することと、取り付けるダイヤモンド工具の設計性能を発揮出るよう、適切な回転数(2000~4000回転/分)に設定されていることである。研磨機の種類は大きく分けて2種類あり、それぞれに特徴がある。
機械の種類
電動式(写真1)
特徴 100Vの家庭用電源で動くので、使う場所を選ばない。発電機があればどこでも使うことができる。電動モータを内蔵するのでその分の重さ、大きさがある。回転、トルク共に安定しているため、加工性は良い。
エアー式(写真2)
特徴 エアーを利用して回転させるため、コンプレッサーが必要。ある程度の空気量がないと回転数が上がらないため、通常3~5馬力のコンプレッサーで1台程度が理想となる。エアーで内部に組み込まれた風車を回転させるだけの簡単な構造なので、本体をコンパクトにでき、作業時の負担が軽減される。
工具の種類(写真3)
曲面用フレキシブルパッド
特徴 曲面にフィットするよう柔軟な基盤を用いて、ゴム製のパッドに取り付けて弾力を利用しながら研磨する。粗からツヤ下までの工程はメタル、ビト、レジンのダイヤモンド工具、ツヤはバフなどのツヤ砥石がある。
平面用研磨ディスク
特徴 平面の小さい、または細い部分を磨くための工具。粗からツヤ下までの工程はレジン、ツヤはバフなどのツヤ砥石がある。
曲面用フレキシブルパッドによる曲面研磨手順、及び注意点
下地工程(ビトリファイド)
・ワークのセッティング
研磨台の上に滑り防止のために濡れタオルを敷き、その上にワークを置きしっかり固定する。
ポイント
ワークを固定する際、研磨面が腰より少し高めの位置になるようにすると研磨しやすい。
・工具のセッティング、機械の始動
ハンドポリシャーにフレキシブルパッドの#150相当を取り付ける。一番取りの面の状態によってはさらに粗目の#60相当を選択する場合がある。
注水バルブを開け水を出す。
電源スイッチをON、若しくはエアーバルブを開け、主軸を回転させる。
・研磨作業
砥石部分をワークにあてる。
ポイント
☆曲面の研磨の場合、パッドの砥石部全体をベタ当てするのではなく、上半分を部分的に使う。砥石のどの部分を当てて研磨しているのかという感覚を意識しながら行う。
☆当て方のコツはハンドポリシャーを少し立てるようにして使う。(図1)
注意!
立てすぎると極少部分接触となり、ワークの焼けの原因となる。
ポリシャーを操作し研磨する
ポイント
☆横の動き(図2)
砥石の上半分の中心部分(5割程度)で研削する。(線で当てる)先ず、線の部分を使い、横の動きでワークを研削する。
☆ビトリファイド系の砥石においては、全て横の動きで研磨し、多角形を作るように研磨する。
☆縦の動き(図3)
砥石の上半分のほぼ全体(8割程度)でワークの面を均す。(面で当てる)
次に面の部分を使い、縦の動きでワークの面を均す。
一通り研磨出来たら、研磨面を乾かし研磨面に異常がないか調べる。
ポイント
☆角、端等の削り残しはないか?
☆面の平面度(うねり、垂れなど)はどうか?
☆スクラッチ、面の荒れ具合(使用した粒度の面になっているか)はどうか?
研磨面に異常が無ければ砥石を#300相当に取りかえる。
前工程同様に研磨をおこない、一通り研磨出来たら研磨面を調べる。